2008年12月13日土曜日

インド: リクシャードライバーたち

リクシャーはインドを旅する人の大切な足。リクシャーにはオートリクシャーとリクシャーワーラーとがある。どちらも三輪で前者はバイク駆動、後者は人力自転車駆動である。

旅行者料金をふっかけてきたり、頼んでもいない旅行代理店や宿に連れて行くのでこれらとのやりとりは大変である。デリーのリクシャーにはメーターがついており、メーターで走れば、遠回りしないよう監視すれば現地の値段で乗れるのでやりやすい。

私の心の中に完成したリクシャー利用のコツは
・ あらかじめ相場を知っておく(宿の人、通行人などに聴いておく)
・「前回は xxRpでここまで来たからそれで」で交渉が早くなることあり
・ 観光客専門でない流しを捕まえる。現地人を降ろした後に乗り込むとかがベター
・ 最初の交渉で面倒になりそうな人はさっさと捨てて違う人を探す
・ 行き先に何のために行くのか聴かれても答えない(答えるとウソ情報で惑わせたり余計な場所に連れて行かれる)
・ 行き先の方向を把握しておいて、おかしなところに向っていると感じたらすぐに釘を刺す


今回はそこそこ闘ったおかげで、行きたくない場所に連れて行かれるようなことは一度も起こらなかった。

以下、今回の旅でのいくつかのリクシャーとのやりとり実例を書いてみる。

オートリクシャー1 in デリー 「壊れたメーター」

T「○○までメーターで言って」
D「メーターは壊れている」(確かに電源が入っていない)
T「うそでしょそれ」
D「本当だ」
T「じゃ、○○までいくら?」
D「(相場の5倍くらいの値段)」
T「じゃいい」
D「いくらならいいんだ?」
T「20」
D「じゃ、やだ」

彼は違うインド人の客をすぐにとった。自分の確信を確かめるためにチェックしたが、そのリクシャーのメーターは動いていた。違うリクシャーで行くと、ちょうど20くらいだった。

オートリクシャー2 in デリー 「ぼれなければ怒るぞ」

現地の客を降ろした直後のリクシャーを捕まえる。
T「○○までメーターで言って」
D「○○は遠いからメーターじゃだめだ」
T (意味が分からないと思いつつ)「じゃ、いくら?」
D「50Rp」
T「40にしてよ」
D「50だ」
T「40だよ、いこいこ」

50というのは、現地の学生に聞いていた相場より高かったけれど許容範囲だったし、リクシャーの少な目の地域だったので50なのか40なのか曖昧なまま出発。しかし、彼は前の客のメーターをリセットしなかったので、到着時までにメーターは 30Rpしか増えていなかったことが判明していた。分かったからには 50Rpは払えない。「メーターで30しかかからなかったけれど、40あげるよ」と気前のいい提案をするも、相手は断固として50を主張。ちょっと怒り気味なのだが、もはや英語をしゃべらないので言い分が分からない。

結局 40で了承したが怒り収まらず、近くにいたリクシャーの運ちゃんに激しく愚痴っていた。自分が悪いことをした気にはまったくならないが、10Rpで逆転してしまう怒りと幸せがあるならば、なんの判断もくださずにあげてしまってもよかったか。向こうの理を理解できなかっただけに、自分の日本での価値観を持ち込んで正当化してはいけないのではないか、そんなことを考えてしまった。

オートリクシャー3 in ガヤ 「仲介料いただき」

バスでラージギルからガヤにつく。ブッダ・ガヤに向う乗り合いリクシャーが見つからない。乗り合いじゃないと 100Rp の相場っぽいが、治安の悪い場所では一人で乗り物には極力乗りたくない。乗り合いリクシャーはないのか?とたずね回っていると、一人の人が「ついて来い」と。まわりのリクシャー運転手から文句を言われているのに振り切って乗り場に連れて行ってくれた。「なんていい人なんだ」とちょっと感動。彼は運転手と何か相談した挙句「15Rp前払い」。なんで前払い?と思いつつ 15Rpだと思って 50Rp札を渡すとお釣りがない。どうやら50Rpと言ったらしかった。

乗り合いでそれは相当に高い。お金を受け取ると運転手と彼は私の視界から消えた。仲介料をふんだくっているようだった。やっぱり積極的な親切って得がたいものだなあ・・・と脱力しながら、疲れもあってそのときは文句も口に出てこなった。

リクシャーワーラー1 in アーグラー 「正直さん」

アーグラー城からバス停へ。アーグラーでは時間があまりなく、急いでいたのでオートリクシャーを探していたが、辺鄙なところを散歩していたので周囲にあまりいない。そうしたらリクシャーワーラーの運転手が寄ってきた。試しに値段を聴くともちろん高い。「今は、時間がないから人力はごめんなんだ」というと「俺は元気で速い!20Rpでいい」というかなり安い提案に。でも、その後に「ただし、道中の土産物屋に寄らせろ。買わなくていいから5分いればそこで収入を補うから」と付け加える。その正直さに心打たれなくもなかったが「急いでいる」と言った人には言っちゃだめだろ。どうせ「道中」というのも近くなかったりするのだろうよ。結局その2倍のお金でオートリクシャーに乗った。

リクシャーワーラー2 in ヴァラナシ 「俺はいい人」

ガンガー付近からサールナートに行こうと思うが、バスの走っている駅前にリクシャーを走らせるのだけでも大変だった。「なぜ駅に行くのだ?」と必ず聴かれる。「サールナート行きのバスを捕まえるため」とでも言おうものなら「バスはないから俺と行こう」とか「バスチケットが必要だからまず予約しに行こう」とか、嘘情報で出発しない。

うるさい人々を捨てて「ただ駅に行って。理由は教えない。」と一人のリクシャーワーラーを捕まえる。しかし、その人も「チケットなら予約センターに」とか独り言を言い始める。「チケットはいらないから駅に言って」と釘をさすも、明らかに道をそれたので「駅にダイレクトに行かなかったらお金は払わない」と言うと、メインストリートに戻り、駅に行ってくれた。約束のお金を渡すと「I am a good man」と手を出してくる。思わず「Yes, You are」と言ってしまったが、よく考えるとごく普通ではないか。インドで相対的に優等生なだけでいい気になるなよ!

その他 交通

・ インドのバスの席取り

インドでのバスの席取りはいかに椅子に速く荷物を置くかで決まるようである。並んで入った人よりも外から空いている(そもそもなかったりもする)窓より荷物を放って席においた方が優先されるのは、どうも納得がいかない。一度、シートに荷物が立てかけてあったのでそこを外して座ったところ、その荷物によって列3席全部が自分と連れのものなのだ、と睨まれて追い出されたが、むむむ体験である。

・ 時間の単位が違う

インドで、正確な時刻を知るのは大変である。写真のように、駅のような場所でも、ホーム毎に時間が違ってもへっちゃらな国なのだ。
電車は毎度のように時間単位で遅れていくので、分単位で正確な時計があったってあんまり意味が無い。

予告無く走り始めたりするがドアが閉まらないから走り出してからでも乗れるし。

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