2012年1月8日日曜日

コスタリカ: アレナル火山 〜 コルコバード

アレナル火山 Arenal Volcano ★★
活火山の形式と温泉とトレッキングが楽しめる。
期待していた溶岩は2010年末から流れていないとのことで、少しがっかり。
それでも噴煙をあげ続けていた。マグマ流の後を見ることができるし、大噴火すると危険な地域まで近づいて観察ができるし、景色としてはなかなか迫力がある。

トレッキングは途中で豪雨+激しい雷が長く続き、景色どころではない。道は川のようになり、雷は縦横に。雷での死者が毎年出るというのも納得の身の危険を感じた。雨季といっても一時的なスコールだけ、といった熱帯も多いが、コスタリカの雨季は本当に一日中雨雨雨といった感じになりがち。
二日目のトレッキングはぎりぎり天気が持ち、ヘビや毒矢カエル、サルなどを見る。道が整備されていて歩きやすく初心者向け。

旅情報
サン・ホセからローカルバスが出ているが、スピードが遅く5時間くらいかかる。時間が潤沢にない場合はシャトルバスサービスを使う方がよい。
ただ、午後からのトレッキング+温泉ツアーには、朝一(6:15)のローカルバスに乗れば十分に間に合う。ツアーはバス停付近で予約が容易。翌日午前中のツアーとの組み合わせで、一泊二日でもそれなりに楽しむことができる。

安いツアーは人数が多く車の質が悪かったりする。温泉をリゾートでなく、自然の温泉川に行ったりする。それはそれで楽しそうだが、私の場合は雨の増水で行けなかった。雨季はそういうリスクもあるので要注意。

コルコバード Corcovado ★★★★★
情報収集元例:
http://www.japancostarica.com/Info-Tourist/Area-Corcovado.htm
http://www.tripadvisor.com/Tourism-g313830-Drake_Bay_Osa_Province_of_Puntarenas-Vacations.html

コスタリカ最後の秘境とも呼ばれるコルコバード。バク等の希少動物の遭遇率は高いという。
アクセスは悪い。その分、確かに秘境度は高く、各種動物もたくさん見ることができた。肥沃な水が流れこむ海は透明度は高くないものの魚が多く、それを狙うクジラやイルカがいるし、たまにワニも泳いでいる。自然好きにはとてもお勧めの場所。
ただし、雨季は観光客が大変少なく、宿は閉鎖、さまざまなツアーが催行人数が足りなかったり悪天候で催行されなったりするので、ただただ自然に囲まれてのんびりしたいという以外はお勧めできない(少し前までは雨季は観光業全体がクローズされていたと聞いた)。

私は3泊4日したが、一番の目的のダイビングは1日も催行されず、Sirenaという一番よさげなトレッキングコースは閉鎖されていたしで、散々であった。
宿が素敵でゆっくりでき、ご飯がおいしく、野鳥やホタルをたくさん見ることができたのが救い。
http://www.fincamaresia.com/

あと、夜の動物探しトレッキングがとても面白かった。
http://www.thenighttour.com/index.htm
昆虫、爬虫類、哺乳類など、2人のガイドが同行し、1人の説明を聞いている間に1人が探しているので間延びが少なくお勧め。










旅情報
バスターミナルでコルコバード方面、パルマノルテ(Palmar Norte)方面行きのバスに乗る。バスの運転手に降りたいと伝えておく。
SanJoseよりam5:00バスで5-6h。
Palmar NorteからSierpeまでタクシーで30min /10-20USD
Sierpeからボート 75min/15 usd




太平洋岸沿いをゆくコースは、山間を行くコースより距離は長いが時間は短くつく。
飛行機だとずいぶん楽そうだが、ボートの道中はジャングルクルーズ的でなかなか楽しいので、時間はかなりかかるが片道は陸路がよいかも。

コスタリカ:ケツァール探し 〜 サンホセ



サン・ゲラルド・デ・ドタ San Gerardo de Dota ★★★★色々と調べた結果、ケツァールを見るにはここに行くのがベストと判明(モンテ・ベルデなども有名であるが、実際にはなかなか見ることができないらしい)。実際、雨季の見つけにくい時期であったが、オスメスともに何羽も見ることができた(要ガイド)。
山間の静けさがとても心地よい。
夜には満点の星空、天の川も見ることができた。
ヤマメやマス料理が名物。


ケツァールは早朝に特に見られるので、日帰りはきつい。
MUSOC のバスでSan Isidro行きバスに。KM80(キロメートロ・オチェンタ)で途中下車させてもらうように運転手に頼んでおく。(帰りはここでバスを捕まえる。写真の道路の場所)。
乗るバスが決まったら、宿に迎えに来てもらうように電話する。
いつ電話するかは予約時にでもホテルと決めておく。当日でないと忘れられる可能性大。出迎えはSavegre ホテルで20USDだった。
Savegreの宿は綺麗でご飯もおいしくかなり居心地がよかった。ハチドリをたくさん見ることが可能。
アクティビティについては、ホテルに着いてからのツアー手配でOK。トレッキング等もできるが動物は期待できなさそうだった。

サン・ホセ SanJose
たいして面白いものはない。
治安は中南米で屈指の良さと言われているが、現地情報によると十分に悪く、凶悪犯罪が日々起きているとのこと。夜は人気のないところにいかない、高価なもの(iPhone)などを街中で身につけない見せつけないが基本。
昔は治安がよかったが、隣接国からの移民を受け入れることで治安が悪化し、現地の人も人間不信的になり国の雰囲気が変わってしまったとの話だった。

コスタリカ: トルトゥゲーロ 〜 ナマケモノ保護施設

各地の感想と評価(5段階)と旅情報。







トルトゥゲーロ Tortoguero ★★★★

・ウミガメの産卵
ここに産卵に来るのは主にオサガメとミドリガメ。前者の方が大きく希少性も高い(ダイビングではまず見ることができない)。今回は残念ながら後者のシーズンだった。

砂浜には無数(20m置きくらい?)のカメの足跡がついていて、期待を高めさせる。
夜に1.5m程度の亀が産卵のために浜に上がってくるのをレンジャーと観察する。上がってくる時には警戒が強いので見ることができないが、産卵以降はかなり近距離で見ることができる。
孵化した子供が砂から出て、海に繰り出してゆくシーンも観察可能。
太古から続くこの生命のリレーの儀式に感動。

・ジャングルクルーズ
あとのメインアクティビティーはジャングルクルーズ。ワニ、サル、野鳥などを快適に見ることができ楽しい。
有名な赤目のカエルもいる。太平洋側んも同じカエルが生息するが、ここで見られるカリブ海側の方が全身の色が鮮やかで綺麗。

旅情報
ツアー以外ではアクセスが難しいので、ツアー参加でよいと思われる。
1泊2日と2泊3日のツアーのどちらを選ぶか?であるが、1泊2日でも十分。
2日目の午後に近所の村訪問がつくのと、自由時間が増えてせわしくないのがメリット。(だが、海岸は遊泳不可で、できることはあまりない。特に独りで参加している場合は2泊3日は手持無沙汰になると思われる。
カメの産卵を見るために1泊は必要。
秘境度はそれほど高くない。割りと設備は整っていて快適。

ナマケモノ保護区 Sloth Sanctuary ★★★★
プロモーションビデオに映るナマケモノのかわいさににやられました。

野生のナマケモノを見るのは難しくないが、近距離で観察するのは難しいので、ナマケモノ好きにはお勧め。
特に子供の可愛さは尋常でない。
触れ合うこともできる。モンテ・ベルデにも支部があるので、モンテベルデに行く人はそちらの利用が便利かも、

旅情報
トルトゥゲーロツアーからの離脱は効率的だった
Siquirres のバスターミナルでツアー離脱させてもらう。
急行Limon(1h)行きに乗る(13時には乗りたい)。一本遅らせても急行が早い。
Limonからタクシーで30min(約20,000C)でPenhurstにある保護区へ。
タクシーの運転手はおそらく場所を知っているし、一本道で目立つので左手を見ておけばすぐに分かる。
14:30が最終ツアー。予約不要。帰路はタクシーを呼んでもらうか手配しておくか
Limonは治安が悪いので乗り継ぎに専念する。SanJoseへの最終バスは19:00

サンホセから
レンタカー、もしくは
https://www.interbusonline.com/home/home.asp でバス予約するか
Bus station El Gran Terminal Del Caribe", next to "El Complejo Kamakiri".
Buy a ticket to 'Cahuita' at the 'Sixaola' ticket
The direct bus leaves San Jose at 6am, 10am, 1:30pm and 3:30pm
with a 15 minute rest stop just before Limon. You will be let off at
Aviarios del Caribe. 降りたいと行っておく。

コスタリカ:旅行に関する情報

2011/9/23-10/5 コスタリカ旅行記

既に記憶が薄くなってきたが、コスタリカ旅行に関する日本語の情報が多くない中色々調べたので、記憶から消える前に記録および旅行者の情報提供のために旅行についての概要を書くことにした。

今回の旅の主目的は以下
- ナマケモノ
- 海ガメの産卵
- ケツァール(手塚治虫の火の鳥のモデルで世界一美しいとも言われる鳥)観察
- 活火山見学
- ダイビング
- コーヒー農園見学
- その他、昆虫や哺乳動物、野鳥の観察など。

現地滞在が13日間あったので、運悪く見れないものもあったが、目的地はすべて回ることができた。

コスタリカはエコツーリズムに力を入れているだけあって、設備は整っているし英語の通用度も高く、快適に旅ができる。道路はそれほど整備されていないが、国自体が小さいので、移動はそんなに大変ではない。
日本からは遠いし物価もそれほどは安くないので、自然探検ということであれば東南アジアをエントリポイントとしたほうがいいようにも思う。
しかし、当然ながら生息する生物が違う。特に鳥や昆虫、爬虫類好きにはたまらないだろう。自然好きなら行く価値が十分にある場所である。








全旅程
9/23(Fri) メキシコシティ-> サンホセ 21:10-23:10 サンホセ泊
9/24(Sat) トルトゥゲーロ(海ガメ産卵)
9/25(Sun) トルトゥゲーロ
9/26(Mon) トルトゥゲーロ -> ナマケモノ保護施設
9/27(Tue) コーヒーツアー(Britt)→ San Gerardo de Dota(ケツァール捜し)
9/28(Wed) San Gerardo de Dota -> サンホセ 徘徊
9/29(Thu) -> Arenal (火山)トレッキング+温泉(入れず)
9/30(Fri) Arenal トレッキング -> サンホセ 夜コンサート
10/1(Sat) サンホセ → Palmar Norte→ Sierpe→ コルコバード
10/2(Sun) コルコバード(ダイビングできず)
10/3(Mon) コルコバード
10/4(Tue) コルコバード -> サンホセ
10/5(Wed) 7:00am -> 11:00 SanJose -> Mexico city
10/6(Thu) 6:07am -> 8:00am MEX ->LAX
10/7(Fri) 12:55pm -> 16:35pm(10/8) LAX -> NRT


日本から一週間の休暇だと現地で使えるのは6日くらいなので、目的を絞り込むことが必要だと思う。
目的がはっきりしているならツアーを利用して時間を節約することが大切かもしれない。


<ツアーについて>
http://www.desafiocostarica.com/
http://www.doncarloshotel.com/costarica_hotel_tours.htm
http://www.monteverdetours.com/
http://www.sakuracostarica.com/monteverde/
などなど色々とある。
時間を大切にするなら、全旅程をアレンジしてくれるところ、予算を重視するなら個々アレンジもしくは現地アレンジ。
観光大国なので、現地アレンジは容易であるが、雨季は人数が集まらず催行されないツアーがあったりもするので要注意。

2009年2月13日金曜日

中国: 桂林 2日目&所感

二日目 川下り
うかつにも、二日目のツアーの段取りは何も聞いていなかった。
もしかしてだまされた?などと心配になるが、宿の人を通して、契約した人と連絡することができた。「10時にロビーで待ち合わせ」となった。しばらく街を散歩して10時に戻るが、彼は「ごめん、10時は一杯。14時にして」と困ったことを言う。私は帰りのバスが20時発であることを伝えていたので、彼が昨日言っていた「4時間半の川下り」をしたら間に合わない。それを言うと「いや、川下りは2時間。出発地点の興坪まではバスで 30分だから4時間で戻ってこれるよ」ということであった。

話が随分と変わってしまったが、事実はまた違って、川下りは1時間。出発地点までのバス移動が1時間以上、だった。
(結果的に言えば、川から見える景色はそんなに変わらないので、寒い冬には1時間程度が妥当かもしれなかった)

さて、私のツアーは、かなり簡素化されたツアーで、バス停まで連れて行ってもらい、ローカルバスに一人で乗っていく、というものであった。こんなのなら自分でやったのになあ・・・。舟もたくさんあって、予約してなくてもて同席を嫌がらない人のところにすべりこませてもらえそうだった。

着いた興坪の街のバスターミナルのすぐ横に、古い街並みを保存している箇所があって、なかなか味があった(ツーリストもたくさん)。そこを通り抜けて川の方に向うことができる。そこから先、船着場までは川沿いの細い道に車が殺到しているため、ひどい渋滞になっていた。歩いたほうが早かった(徒歩で20分弱)。

舟は4~6人乗りのモーター付きの筏。自分は遠慮して一番後ろに座ったが、屋根が前方視界の邪魔なので、前のほうに座るべきだった。あと、舟からくる波で水がはねて下半身はずぶぬれになる覚悟が必要。

川の中や周りには水牛やアヒルがいたりした。例の山々に囲まれた景色はさすがになかなかであった。夕方近くなっていたので、山々の間から差し込む光が斜めに切れ込んでおり、美しい光と影のコントラストを見せていた。

さて、ツアーが終わったのでまたローカルバスで陽朔まで戻る(5.5元)。朝に登った公園にある丘にもう一度登り、暗くなり行く街を眺め、別れを告げる。ご飯はここの名物のビアフィッシュを食べた。これは、漓江川に特有の魚の種類だと思ってたが、どうも調理方法らしかった。そのまんま、味付けにビールを使うのがポイントらしい。それほどビールを感じさせる味ではなかったが、川魚の生臭さがうまく消されていてとてもおいしかった。旧正月なのでと餃子も食べて、おなか一杯になって帰路。
長かった帰路
バスは2時間近く待たされたあげく(待つのはインドで慣れた)、「満員だから乗り継ぎで違うバスに乗れ」と言われ、違う街に一度バスで移動してから寝台バスに乗り換えた。待っていた寝台バスがアイドリングをしなかったのはよかったが、バッテリーがあがっていてしばらく出発せず。結果、行きより 1.5倍近く時間がかかり、深圳に着いたのは朝の10時過ぎになってしまった。バスは行きよりベッドが長く、ぎりぎり足を伸ばすことができ、往路よりよく眠ることができた。これなら100元の差額も納得できる。
深圳に入ると全員が降ろされた。なんだかターミナルっぽくないのにおかしいなあと、英語の分からない頑張ってドライバーとコミュニケーションして分かった。中国人は入京審査をここで受けないといけないのだ。外国人の私は免除なので、パス。竹子林 という地下鉄駅の上が終着点だったので、地下鉄で香港との国境へ。地下鉄はほとんど香港と同じスタイルで、新しいのでやたら綺麗であった。なんだか無機質な印象。
以上、桂林紀行は終了。
桂林の感想と自分の旅への態度
中国を代表する景勝地。なかなかの景色であるが、テレビで、写真で、(20元札で?)見慣れすぎていたためか、感動は薄かった。香港や広州から週末で行くことができるので、何かのついでに行くのはよいが、わざわざ日本からここを目指すだけのものはないと感じた。
陽朔の街は、英語通用度が高いし、物価もそこそこ安いし大気汚染もあまりない。バックパッカーの憩いの場となるのは納得(ハッパは公に流通していなさそうだったけれど)。

さて、最近の私の旅の傾向であるが、うまく旅をすることばかりに気が行き過ぎて、あまり楽しめていない気がした。
"短い時間で","安く","快適に","ここでしかできないことを","できるだけたくさん" といった条件を満たすことにちょっと気がとられすぎていて、肝心の旅を味わいきれていない。
ヘタに旅慣れてきたため、はじめて見るものへの感動が薄くなってきているのと、うまく旅ができた時の記憶が頭にこびりついているからだと思われる。
この傾向は旅行記の文章にも十分に現れているだろう。
この一年は旅行ばかりしていたし、海外に生活していること自体が旅みたいなものであった。しばらくは日常を固めろといういうお告げだと理解することにした。

データ: 香港から深圳
・ 深圳から飛行機で片道 660元ほど(安い時期には深圳の国境出口にある旅行代理店で800元程度で往復券が売られていた)
・ 香港から飛行機で往復 2000HKDほど
・ 深圳駅より220-250元ほど。バス発着所は羅湖の国境から線路を挟んだ反対側。国境を出て左に進むと歩道橋へ続くエスカレーターがある。徒歩2分。一日19:30と20:30の2便。9~11時間・ 深圳福田バスターミナル等からもバスあり
・ 深圳駅から電車もありバスのメリットは、空港や桂林の街を飛ばして 羅湖←→陽朔まで直行でいけること。

2009年2月12日木曜日

中国: 桂林 1日目

桂林に行くのか?

香港での一年間の生活も終わり、日本に帰国。最後に、香港から行きやすい景勝地である桂林への旅行を検討してみた。

桂林は、大学時代、夏休みの終わりに友人が、あの瓢箪のような山々をバックに自転車でサイクリングする写真を見せてくれたことで知った。それまで身近に中国との接点がなかった私にとって、その図が中国のイメージの元型になっていた。。桂林という場所を私は、独りで喜んで行くほど魅力のある場所だと感じていたわけではなかった。しかし、その元型のイメージを体験しておきたいという想いがひそかにくすぶっていた。そして、香港にいる今を逃すと永遠に行かない気がしたので、検討開始。

しかし、調べてみると旧正月休みのこの時期は・・・


・ 寒い
・ 乾期の渇水のため川下りできる範囲が狭まる&霧や雲が出にくいため水墨画的景色は見にくい
・ 特別料金体制だし内地からの観光客が多い

と、タイミングとしては最悪だった。

行こうかどうか悩んだが、"飛び込みで夜行のバスチケットが取れたら行ってみる"というサイを投げることで決めることにし、とりあえず簡単な準備をして国境を越えた。


深圳から桂林
ネットで調べたところでは、国境の深圳駅付近のバス停の一つから250元くらいで夜行バスがあるという。場所がいまいち分からなかったのもあり、国境付近の旅行会社にまず行ってみると、350元とふっかけてくる。「春節だから」というが、信じられないので横着せずにバス発着所を探していく。バスのチケット売り場の手前に客引きがいて、700元とひどくふっかけてくる。飛行機で660元なのにばかなである。中国には法外にふっかける人は少ないという印象があったが、やはり流れ者の多い深圳は違う。

バスターミナルでは季節変動価格で260元なり。どのくらい滞在したいか分からなかったので、帰りのチケットは買わないでおいた。深圳駅周辺は特に旅客が多そうでも無かったので、旧正月期間でもなんとかなるだろう(結果的にはこれは甘い読みだった)。

降りる先は桂林ではなく、その少し(バスで1.5時間ほど)南にある、桂林川下りの到着地点である陽朔。ここは中国のバックパッカーの聖地の一つで、雲南旅行中に出会った中国横断中の旅行者に薦められていた場所。桂林の街中とは違い、桂林的景色に囲まれた街。過去に西洋人が多く住んでいたらしい場所でもあり、中国では珍しく英語の通用度が高い。

英語といえば、深圳からのバスガイドさんも英語をしゃべってちょっとびっくりした。

バスは土足禁止。寝台は雲南で乗ったものより横幅は広いが、長さは 180cmの私には足りず、足を折る必要があって、ぐっすりとはいかない。シーツは綺麗だった。そして、禁煙だったのがとても嬉しい。途中、福田バスターミナルに寄って行く。バスは高速を快調に飛ばし(この辺はインドと違うところだ)。しかし、快調すぎて朝7時着と言われていたのに、四時半に到着してしまった。周囲は真っ暗である。困った。去年、大理で朝3時半に着いて惨めな想いをしたことを思いをした。

この時間に空いている宿はあまりないし、ガイドブックも持たずにきたのでどこが安宿街なのかも分からない。しかし、今回は幸運にも客引きが一人いたし、他に二人のバックパッカーがいた。寒い中さまようのも嫌だったので、前者について行くことにした。宿はテレビに洗面セットとシャワーつきで交渉後100元。盛んに二泊しろと行ってきたのは相場より高いからだろう(一度街に出られると相場がばれる)。もっと安い宿があることは知っていたが、夜中に待っていた労力に大いに助けられたし、この後宿を探しに外に行くのは嫌だったので、一泊だけ、ということで早々に決める。

ちょっと寝たら朝の街を散歩してみようと思うも、目覚まし動かず。昨日の客引きがローカルビールとローカル麺を持ってきてくれた。彼は「朝にビールを飲むのがこの土地の習慣だ」といって薦めてくる。ほんまかいな。とにかく私は朝から飲む気がしないので、「インドでビールに睡眠薬を入れられてから、人から飲み物はもらわないことにした」と伝える。「気になるなら新品を持ってくるよ」とそれでも勧めてくるが断る(まあ、薬を警戒するならもらったご飯を食べるなという話なのだが)。

この朝食サービスは、ここで恩を売ってツアーを契約するための投資のようだった。ツアーの相場がおぼろげにしか分からないし、比較したいので自分で探すと正直なところを伝える。しかし、「今は旧正月だから見つかりにくい」「熊本から来ている美人二人と一緒にまわれるよ」などととてもしつこく勧誘してくる(そういえばビール勧誘の時も、熊本ガールも今ビールを飲んでいるとか言っていた。結局その二人の姿を見掛けもしなかった。彼の日本人勧誘時の常套勧誘手段なのかもしれない。)。しかし、値段もまあそんなもんだろうというところ(英語ガイド&ランチ付き1日サイクリングツアー+川くだり1日で350元)に落ちてきたし、自分で探しに行って当日乗れるツアーが見つからないリスクを考慮してお願いした(旧正月パワーがどんなものか分からなかったので)。

朝、ガイドさんがくるまでの間、街を少し散歩した。宿を出ると、"あの"桂林的な山が街の中や周囲ににょきにょきと生えていて、最初に見た時にはやはり少し感激した。

1日目 サイクリング ~

1日目は、天気が非常によかったので、ハイライトの川くだりではなくサイクリングからスタート。さっそく来てくれた、英語がそれほどうまくなく言葉少ないガイドさんと田舎をまわる。ガイドはたいした説明はしてくれなかったが、地図も持っていない身としては、ガイドがいてよかったと思う。治安のいまいちな場所もあるらしいし、独りで迷っている旅人もいた。

田舎は、中国の普通の田舎の風景である。野生や家畜の鳥がそこらへんにいて、ちょっと鳥インフルエンザの心配もしつつであった(桂林周辺は人間への感染はないが、省としては死亡例がある)。おかしな形の山々と川とを見てまわる。このコースでは途中、筏で川下りをするのが定番らしい。これはびっくりの150元。特別な景色が見られるわけでもないので、やめて、サイクリングで自分のペースでまわる。でも、道中、川原にいた地元のお爺さんに筏を貸してもらってこいで遊んで、気分だけ味わった。

途中で「昼食は込みなの?」と聴かれたので「そうだよ」と答えたら、ローカルの中でも一番安いだろう場所に連れて行かれた。市場で野菜や肉に囲まれながら、おかず3品&ごはんを食べたのだった。大変露骨な経費節約であったが、おいしいのはおいしかった。

その後、ちょっとした山(月亮山)に登ったり、洞窟(ウォーターケーブ)に入ったり。ガイドさんは入り口で待っていた。この辺りは特にコースが決まっているわけではなく、何をしたいか聞かれながらやっていく感じ。洞窟の入場料は168元もする。去年、世界一長い地底川の洞窟に行ったし、雲南で有名な洞窟にも行ったので興味なかったが、ガイドの妹がチケット売り場で働いており、ローカルプライス(80元)でいいから・・・と言ってくるので、時間潰しに行ってみた。

実際、郊外巡りはいろいろ見所に入っていかないと、山を眺めるだけでは1日使いきるのは難しい。私は中国の寺などは相当に飽きていたし、中国で乗る気球は怖いし。洞窟でも・・・と消極的選択。

この洞窟へは、舟で入って中で歩く。定番の鍾乳洞たちを見る。まずまずといったところ。予想通り、驚く場面はなかった。思っていたよりは規模が大きかったが、雲南の九郷風景名勝区とは比べるまでもない。一人の若い中国人が、現地ガイドの言うことを気が向くと英語に翻訳してくれて助かった。

夕方にはサイクリングが終わり、街に帰って、中国では珍しいバックパッカーのたまり場的な場所に行ってみた。それは、予想よりも大きい規模だった。もっと旅人に有名なコルカタのサダルストリートなんかより大きくちょっとしたオドロキ。西洋のレストランがあり、バーがあり、英語のメニューや看板があり。ずらりと並ぶみやげ物(偽ブランドや おかしな T シャツやら)屋を冷やかすだけでも時間をかなり潰すことができる。

予定通り明日の夜行バスで帰ろうと、バス停に行くと「明日は満席」。さすが旧正月である。旅行代理店をいくつかまわり、ようやく明日の夜行バスを見つけることができた。価格は特別料金の350元。まあしょうがない。

スケールの大きな野外ショー
さて、この街で有名なショーがあって、夜にはそれを見に行こうとしていた。張芸謀(チャン・イーモウ)プロデュースの 印象劉三姐 というものだ。夜に、山々をバックに街の外れの川の上で繰り広げられるショーである。出演は総勢600人にも及ぶという、日本では見ることができないようなものである。


チケットは一番安いもので188元もするし、まあいつでもチケットは買える、と思っていたがそこは旧正月パワー。その日の第一公演は売り切れ。第二公演に滑り込む。ショーの開催地まではチケットを買った旅行代理店のバスで行く(ちなみに帰りは置いていかれた・・・)。

会場の規模がものすごい。人々が待つスペースがあり、そこに開演1時間近く前に集合。そこから席まで大移動(どちらも屋外)。開場から開演までが短すぎ、客が入場中に真っ暗になって大パニックになっていた。ステージの前には川。その奥に山々がライトアップされる。

このショーはよかった。北京オリンピックの開会式のプロデューサーが、その路線で自然
の背景を利用して、様々な工夫をこらしている。水牛や鵜なども登場して、統制の取れた演劇が行われる。その中国ならではと思わせる規模のショーは、今回の桂林旅行で一番感銘を受けた。

すっかり遅くなった夜ご飯はローカル食堂で鍋ご飯。たくさんの食材から4品選んでご飯と炊き込むものである。おいしかった。あと、たこ焼きがあったのでトライしてみたが、タコは入っていないのは当然として、練乳と甘い粉がまぶしてあって、ほとんどお菓子であった。たこ焼きと思わなければ、意外とまずくはなかった。

2008年12月13日土曜日

インド: リクシャードライバーたち

リクシャーはインドを旅する人の大切な足。リクシャーにはオートリクシャーとリクシャーワーラーとがある。どちらも三輪で前者はバイク駆動、後者は人力自転車駆動である。

旅行者料金をふっかけてきたり、頼んでもいない旅行代理店や宿に連れて行くのでこれらとのやりとりは大変である。デリーのリクシャーにはメーターがついており、メーターで走れば、遠回りしないよう監視すれば現地の値段で乗れるのでやりやすい。

私の心の中に完成したリクシャー利用のコツは
・ あらかじめ相場を知っておく(宿の人、通行人などに聴いておく)
・「前回は xxRpでここまで来たからそれで」で交渉が早くなることあり
・ 観光客専門でない流しを捕まえる。現地人を降ろした後に乗り込むとかがベター
・ 最初の交渉で面倒になりそうな人はさっさと捨てて違う人を探す
・ 行き先に何のために行くのか聴かれても答えない(答えるとウソ情報で惑わせたり余計な場所に連れて行かれる)
・ 行き先の方向を把握しておいて、おかしなところに向っていると感じたらすぐに釘を刺す


今回はそこそこ闘ったおかげで、行きたくない場所に連れて行かれるようなことは一度も起こらなかった。

以下、今回の旅でのいくつかのリクシャーとのやりとり実例を書いてみる。

オートリクシャー1 in デリー 「壊れたメーター」

T「○○までメーターで言って」
D「メーターは壊れている」(確かに電源が入っていない)
T「うそでしょそれ」
D「本当だ」
T「じゃ、○○までいくら?」
D「(相場の5倍くらいの値段)」
T「じゃいい」
D「いくらならいいんだ?」
T「20」
D「じゃ、やだ」

彼は違うインド人の客をすぐにとった。自分の確信を確かめるためにチェックしたが、そのリクシャーのメーターは動いていた。違うリクシャーで行くと、ちょうど20くらいだった。

オートリクシャー2 in デリー 「ぼれなければ怒るぞ」

現地の客を降ろした直後のリクシャーを捕まえる。
T「○○までメーターで言って」
D「○○は遠いからメーターじゃだめだ」
T (意味が分からないと思いつつ)「じゃ、いくら?」
D「50Rp」
T「40にしてよ」
D「50だ」
T「40だよ、いこいこ」

50というのは、現地の学生に聞いていた相場より高かったけれど許容範囲だったし、リクシャーの少な目の地域だったので50なのか40なのか曖昧なまま出発。しかし、彼は前の客のメーターをリセットしなかったので、到着時までにメーターは 30Rpしか増えていなかったことが判明していた。分かったからには 50Rpは払えない。「メーターで30しかかからなかったけれど、40あげるよ」と気前のいい提案をするも、相手は断固として50を主張。ちょっと怒り気味なのだが、もはや英語をしゃべらないので言い分が分からない。

結局 40で了承したが怒り収まらず、近くにいたリクシャーの運ちゃんに激しく愚痴っていた。自分が悪いことをした気にはまったくならないが、10Rpで逆転してしまう怒りと幸せがあるならば、なんの判断もくださずにあげてしまってもよかったか。向こうの理を理解できなかっただけに、自分の日本での価値観を持ち込んで正当化してはいけないのではないか、そんなことを考えてしまった。

オートリクシャー3 in ガヤ 「仲介料いただき」

バスでラージギルからガヤにつく。ブッダ・ガヤに向う乗り合いリクシャーが見つからない。乗り合いじゃないと 100Rp の相場っぽいが、治安の悪い場所では一人で乗り物には極力乗りたくない。乗り合いリクシャーはないのか?とたずね回っていると、一人の人が「ついて来い」と。まわりのリクシャー運転手から文句を言われているのに振り切って乗り場に連れて行ってくれた。「なんていい人なんだ」とちょっと感動。彼は運転手と何か相談した挙句「15Rp前払い」。なんで前払い?と思いつつ 15Rpだと思って 50Rp札を渡すとお釣りがない。どうやら50Rpと言ったらしかった。

乗り合いでそれは相当に高い。お金を受け取ると運転手と彼は私の視界から消えた。仲介料をふんだくっているようだった。やっぱり積極的な親切って得がたいものだなあ・・・と脱力しながら、疲れもあってそのときは文句も口に出てこなった。

リクシャーワーラー1 in アーグラー 「正直さん」

アーグラー城からバス停へ。アーグラーでは時間があまりなく、急いでいたのでオートリクシャーを探していたが、辺鄙なところを散歩していたので周囲にあまりいない。そうしたらリクシャーワーラーの運転手が寄ってきた。試しに値段を聴くともちろん高い。「今は、時間がないから人力はごめんなんだ」というと「俺は元気で速い!20Rpでいい」というかなり安い提案に。でも、その後に「ただし、道中の土産物屋に寄らせろ。買わなくていいから5分いればそこで収入を補うから」と付け加える。その正直さに心打たれなくもなかったが「急いでいる」と言った人には言っちゃだめだろ。どうせ「道中」というのも近くなかったりするのだろうよ。結局その2倍のお金でオートリクシャーに乗った。

リクシャーワーラー2 in ヴァラナシ 「俺はいい人」

ガンガー付近からサールナートに行こうと思うが、バスの走っている駅前にリクシャーを走らせるのだけでも大変だった。「なぜ駅に行くのだ?」と必ず聴かれる。「サールナート行きのバスを捕まえるため」とでも言おうものなら「バスはないから俺と行こう」とか「バスチケットが必要だからまず予約しに行こう」とか、嘘情報で出発しない。

うるさい人々を捨てて「ただ駅に行って。理由は教えない。」と一人のリクシャーワーラーを捕まえる。しかし、その人も「チケットなら予約センターに」とか独り言を言い始める。「チケットはいらないから駅に言って」と釘をさすも、明らかに道をそれたので「駅にダイレクトに行かなかったらお金は払わない」と言うと、メインストリートに戻り、駅に行ってくれた。約束のお金を渡すと「I am a good man」と手を出してくる。思わず「Yes, You are」と言ってしまったが、よく考えるとごく普通ではないか。インドで相対的に優等生なだけでいい気になるなよ!

その他 交通

・ インドのバスの席取り

インドでのバスの席取りはいかに椅子に速く荷物を置くかで決まるようである。並んで入った人よりも外から空いている(そもそもなかったりもする)窓より荷物を放って席においた方が優先されるのは、どうも納得がいかない。一度、シートに荷物が立てかけてあったのでそこを外して座ったところ、その荷物によって列3席全部が自分と連れのものなのだ、と睨まれて追い出されたが、むむむ体験である。

・ 時間の単位が違う

インドで、正確な時刻を知るのは大変である。写真のように、駅のような場所でも、ホーム毎に時間が違ってもへっちゃらな国なのだ。
電車は毎度のように時間単位で遅れていくので、分単位で正確な時計があったってあんまり意味が無い。

予告無く走り始めたりするがドアが閉まらないから走り出してからでも乗れるし。