2008年7月4日金曜日

タンザニア旅行: サファリ

6/21-25
サファリの参加者は40過ぎくらいのスイス人カップルと私達の4人のゲスト+ガイド(アンドリュー)とコック(ザカリヤ)の6人。スイス人男子が私の勤めている会社のロゴの入ったリュックを持っていたので聴いてみると、元社員ということで、若干親しみ度アップ。

4泊5日でマニヤラ湖、セレゲンティ、ンゴロゴロの3つの公園をまわる。有名なのはセレゲンティだが、どれも皆それぞれに魅力があって甲乙がつけがたかった。

1. マニヤラ湖
もっとも街に近い。
湖と森と草原が狭い場所に入り混じっているため、生物種が多様。生物の密度も高く、見つけるのも容易。
ここではたくさんの象を(鼻息を感じるくらいに)間近で見ることができてよかった。
さすが、ボルネオで見たピグミーエレファントよりずっと大きい。


見たもの(ぱっと思い出せる範囲)
ヒヒ
ブルーモンキー
サバンナモンキーサル

フラミンゴ

インパラ
キリン
イボイノシシ
シマウマ
カバ
ヌー
ライオン
バッファロー
ティクティク
ベルベットモンキー
白毛モンキー
ペリカン
アフリカンイーグル
ダチョウ
ディクディク


2. セレゲンティ国立公園

「セレゲンティ」は現地の言葉で「果てしない平原」を意味するが、まさに。地平線のかなたまで平原。 なにせ東京+埼玉+神奈川+千葉をあわせたくらいの広さがある。

<雨季と乾季>
6月下旬は雨季から乾季に切り替わったところ。雨季にここに草を食べに来ていた無数のヌーとシマウマの大移動がこの切り替わり時に行われる。それは壮観らしくこの公園の醍醐味で、楽しみにしていたのだが、その移動はつい数週間前にほぼ終わってしまったようである。
残念ながら、それらの動物の数は既に少なかった。


その代わりとして、乾季のため草は枯れて見通しはよく、ライオン等は見つけやすかったと思う(比較したわけではないので印象の話で)。ライオンの狩シーン(失敗)も一応見ることができた。
あと、湿度がないため、シャワーのないキャンプでも苦痛ではなかったし、蚊もいなかったのはよい点だった。何せ病気が怖い。

見たもの
インパラ
ディクディク
ガゼル
トムソンガゼル
ブッシュバック
ウォーターバック
イボイノシシ
カバ
ライオン

ダチョウ
ワイルドドッグ
サバンナモンキー
ハイラックス
マングース
チーター
シマウマ
バッファロー群れ

キリン
シマウマ
ヌー
鳥いろいろ


3. ンゴロゴロ自然保護区
ここは太古にできたクレーター。この風景だけでも一見の価値がある。
クレーターからの動物の出入りはほとんどないため、いる動物が確約されていて、見つけるのが容易。ヌー(英語名は wild beast というやる気のないもの)やシマウマもそれなりの数
がいた。
ここの売りは絶滅が危惧されて希少なサイ(この公園内に15匹いるそうな)。すごく遠くにいるサイでもみんなで追いまくる。 それなりの距離で我々も見ることができた。


この区域はクレーターの上で 2300mくらいの高所にあるので寒く、10℃にまで下がる。特にキャンプは防寒具を準備してこないという失態をおかしたので、ロッジに泊まるスイス人から服を借りることに。さらに彼らの分の寝袋も使って快適。かなり助けられた。キャンプサイトには象がすぐそばまでやってきたりとワイルド。
そして、デジカメ等の充電のため、限られた電源が奪い合われていた。

みたもの

シマウマ、ヌー、フラミンゴの群
クロサイ

ハイエナの食事
ジャッカル
などなど



<全体として>
a) テント生活
キャンプを4泊連続というのはやはり若干疲れる。自然の中で生活するのは気持ちよいとはいえ、中1日くらいロッジ泊をしてもよかったかも。

ご飯はなかなかおいしかった。我々のコックはもともとホテルのコック(その経歴で彼はサファリコック仲間で有名人らしい)で、若干しょっぱいながら、保存食をうまく使って食事を楽しませてくれた。最後のほう、パンにカビらしきものも見えたがしょうがない。
虫がスープに飛び込んできたりフルーツに蜂がたかったりというのもならでは。

b) 同行者
5日もずっと一緒にいるので、同行者がどのような人かは重要。

このカップルは素朴な感じで、好感が持てるのだが、女性の方は動物に対して注目させるための声を出すのを抑えきれないらしく、動物にストレスを与えたり、逃げさせてしまったりして残念だった。何度か注意されていたけれどやっぱり自然に出てしまうらしい。
また、ランチから餌をやったり人に慣れたハイラックスに触ろうとしたり(噛まれたら狂犬病コース)、自由奔放さがちょっとすぎていた。

あと、ツアー後の彼のツアー会社への激怒事件があって、後味悪かった。

c) ガイド

ガイド兼ドライバーは旅がどうなるかに重要な要素である。
私達が当たったガイドはちょっとはずれだったと思う。

問題1 ガイド量が少ない

公園のこと、動物のことについてほとんど情報をくれず、こちらからの質問に簡単に答えるのみ。公園での注意事項などの説明も満足になく、ガイドとして客を楽しませようとか、国や動物について深く知ってもらおうという精神にかけていた。

一度覚えればいい話なのだから、私がガイドなら色々なことを覚えて、これでもかというほど説明したいと思うのだが、7年もやっていると飽きてしまうのか、それとも情熱を失ったのか。

私が熱出していると言っても、「ふーん」的に流しその後なんのケアもないし、最後までたった4人のゲストの名前も覚えなかった。全体的にやる気なしに感じられる。

問題2 動物を見つけない

現地の人の抜群の視力と経験で動物をざくざく見つけてくれることを期待していたがそんなこともなく、だいたいは私たちで見つけた。

問題3 すぐ消える

サファリの後など、すぐにどこかに消えてしまってどこにいるか分からず、あてにできない。スイス人レポートによると、彼に夜にあったらビール臭かったという。どこかキャンプサイトの外でローカルの人と飲みに行っていたのかもしれない。
まあ、朝から晩まで拘束というのもつらいだろうが、夜に何かあったらどうすればよいのかくらいは伝えてから消えて欲しかった。
一度は次の日の朝の集合時間など伝えもせず消えてしまったし・・・。

問題4 説明不足&手際の悪さ

セレゲンティで給油のためにと、ビジターセンターに向った。着いたのはその日の朝に一度行った場所。朝に我々が各自でウォーキングしている間に給油しておいてくれれば・・・という話もあるのだが、問題はここから。
ここで彼は「ビッグプロブレム! 10分」とだけ言い残して、車ごと消えてしまったのだ。
当然10分では帰ってこないので、どんな問題?!と不安の中で待つ。
「ここの給油所が壊れてしまったので XX まで給油してくる」というような説明をすべきだったが、事後にもそれはなかった。

他にも理由が不明のまま待たされるシーンは山のようにあった。どうも、待たせることに関する意識が我々と違うようである。
文化によってその意識が違うのは理解するが、そういう人たちにサービスを提供するのだから、その辺は理解してもらいたい。

d) トラブル
二日目の朝、ガイドが私たちを集めて話をする。
「人生でこんなにひどいことは一度もなかった」と仰々しいので、とんでもない天変地異でもあったのかと思うと・・・ガイドが財布を盗まれたのだった(最終日に見つかる。落としたっぽい)。

700USD、公園の入場料などがそこに入っていたというので、入場料の立て替えをして欲しいということ(1公園一人 50 USDと結構な値段)。現金を持っていたので、もちろん了解する。
立て替えるのはよいのだが、残念だったのは、それによってガイドが目に見えて落ち込み気分をガイド業に引きずったことだった。そこはプロとして気分を切り替えて欲しかった。お金は取り戻せるだろうが、私達のサファリに二度目はない。

彼は「帰ったら必ずすぐに返すから」と繰り返していた。

それにも関連して、帰りに大きな問題が起こった。
街の帰り道、おみやげ物屋のたまっている場所で「ちょっと警察に行かないといけないので20分待って」と言われ、我々は車から出て待つことにした。
しかしながら、一時間を過ぎても戻らない。外は暑いし、地元人がちょっかいを出してくるし、このままでは帰りは暗くなってしまうしで困った。こんなことならあと1時間はサファリをしていたかった。最終日は朝の出発も内因で遅れてンゴロゴロは3時間ちょっとしかサファリをできていなかったのだから。

困り果て、ツアー会社に電話をかけて(地元の人に電話を借りようとするとローカルコールなのに「5USD」とか言われたりしつつ)、すぐに状況を把握してコールバックするようにお願いした。

すると、そのすぐ後に車が戻ってきた。
たまたま戻ってくる前に電話をしたのかもしれないが、タイミングがよすぎたために、「実はいつでも出ることができる場所にいたのでは?」という疑念が沸いてくる。
更に我々の神経を刺激することに、彼は綺麗なシャツに着替えていた(彼はなぜかツアー会社のオフィスにいるときだけはネクタイ+シャツをつける)。
たいした説明もなく、「"ちょっと"遅くなってごめん」くらいのことしか言わなかったので、我々の不愉快ゲージは一層高まったのだった(更にスイス人たちは前日のロッジの手配に問題があって高まっていた)。

ツアー会社のオフィスに戻ると「どうだったか」と聴かれるので、今日起こった問題について我々は話をした。その対応によってはその場は収まったのだろうが、責任者は「たとえお客様が間違っていたとしても、私達が悪いのです」と、そのツアー会社の理念を間違ったシチュエーションで解説したりしてし、不愉快ゲージは高まり続け、ついに爆発ポイントに達した。
それは、立て替えていたお金が返ってくる気配がないので「お金を返して欲しいのだが」と我々が切り出したのに彼が「いくら?」と応えたところだった。

お金を借りて、何度も「オフィスに着いたらすぐに返す。問題ない」と言っておきながら、向こうから自発的に帰ってこなかったのみならず(同一会社の他のツアーとキャンプ場などで散々あっていたのだから、その時にも立替はできたはず)、把握もされていなかったのだ。
これは我々もがっかりだったが、スイス人の男性はまじ切れして、「200$ each だよ!」と4倍の金額を言った。

それに対して、彼にのみ 200$が支払われるという対応がなぜだかとられた。当然彼は「ガイドから何も説明聞いていないのか?本当は各50$だよ!」と言うのかと思ったら、OK、とそのまま受け取って納得している。

それはいくらなんでもまずいのでは?と思い「100$ずつ分けよう」と言うと「自分でもらえ」と。しかし、スイス人の女性の方も我々側についたので、結局分けることに。
彼は納得がいかず、ツアー会社の人に
「貸したお金をそのまま返してもらっても納得しない。我々はスイス人だから利息が必要だ。我々は銀行だ。150$よこせ」とまくしたてる。怒るポイントがずれているし、ちょっと困った人になっていた。

ツアー会社の人は奥に一度引っ込んで相談ののち、彼に150$を支払った。
そして、責任者からの謝罪と粗品をもらう。
大変に後味が悪い。

色々とあったのでガイドにはチップをあげたくない気分になっていたが(相場は1日10-15$/group)、彼らの生活もあるだろうから、少なめにあげることにした。

彼の本当の怒りの理由は多分伝わっていないので、他の点とあわせて、ツアー会社にガイド改善のための提案のメールでも送ろうと考えている。

e) ツアー会社

悪徳会社も多数あるということで、口コミを色々と見つつ、それほど高くないところを探した。
Good Earth http://www.goodearthtours.com/
SHIDOLYA TOURS & SAFARIS LTD. http://www.shidolya-safaris.com/
この辺がよさそうだったが、前者は「二人で参加する場合はツアー全体の人数に関わらず二人で車をチャージした際の金額」を払わなければらなく、それが大きいのでやめた。

後者の Shidolya は、口コミで成長した会社と言っており、行った人の推薦もあったのだが、上述のように、ガイドの教育が徹底していないことがあるようで残念だった。まあ、クレームに対してはそれなりに真摯な姿勢を見せたのは、この国としてはきちんとしているほうだと思う。
しかし、他の会社も似たようなものとすると、いい会社を知るだけでなく、どのガイドがよいのか、まで調べて指名したほうが確実だったのだろう。

この会社には他にも不満があった。
バスの予約を「朝6時、なければ一番早いもの」とお願いしていたのに、「朝6時はフルだったから何も取らなかった」と。
乗る前日にしか予約できないので、それなりの時間に予約をしようとしていればできたはずだし、次の時間のバスを取ってくれなかったしでがっかり。できないならできないで代案を考えたのに・・・。

翌日、バス会社に直接自分たちで行った際に当日の予約表をのぞいたら、6時のバスは空席があったのでさらにがっかり。ただ忘れたのを言い訳したのだろう。

f) チップについて

サファリではガイドとコックへ、結構な額(おそらく固定利益額の半分以上)のチップを払うのが慣例になっているが、この制度はサファリにはなじまないと考えた。

レストランならば「サービスが悪いから次はこないしチップも少なくする」で済むがだろうが、5日もかけるようなサファリは、ほとんどの人が人生で一度の、やりなおしのない体験である。ガイドの質が悪くて残念、だけでは済まない。

ツアー会社はサファリにおいて、チップを乗せたお金を取ってでも、ガイドの質を保証すべきである。ガイドによって質に大きな差がでないような教育をして(客からフィードバックをもらうようにすれば簡単なはず)、+αの部分だけでチップを取るようにしたほうがよいと感じた。

g) 全体感想
ヒョウを見ることができなかったのは少し残念だが、色々な動物を思った以上に間近で見ることができて、楽しかった。
色々とオペレーション上の問題はあってストレスもあったけれど、それを補って満足させるパワーがサバンナにはあった。
子供時代に来ていたらもっと興奮していただろうなあ・・・。

期間として、5日はちょうどよかった。食傷が始まりかかった頃に終了。

今回行ったどの公園も結構な台数の4WD が走り回っており、スケールがまったく違うながら、準サファリパーク的様相であった。ライオン等の人気動物の周りにはすごい数の車が取り巻いていたり、これは彼らにとってストレスに違いない。自分は動物を間近に見たいのは見たいけれど、たくさんの人が見に来るのは嫌だという自分勝手な気持ちになる。

また、人類も動物の一種に過ぎず、昔はこのサバンナで肉食動物におびえていただろうに、今やライオンを興味本位で追い回している。その行為が彼らの尊厳を冒しているように感じられるし(そもそもの有史以来の自然破壊を考えるとこんなものは屁でもないだろうが)、人間はどこまでも特殊な動物になってしまったのだということを実感させられた。

せめて、公園の入場料を尋常でなくあげ、騒音の少ない電気自動車を入り口で義務で借りなければならなくするなどして、騒音対策と、サファリを本当に好きな人以外は興味本位でできないようにするような措置を取ることで、少しでも彼らに対して敬意を表するようにしたほうがよいのではと、勝手なことを考えたりした。

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